勝手にさよなら

浮遊の記録

『2018-19 NBA FINAL』カワイ・レナードの凄味について

ついにNBA 2018-19シーズンが終わってしまった。はぁ。寂しい。今年はトロント・ラプターズが球団史上初の優勝。2年連続で優勝していた王者ゴールデンステート・ウォリアーズのスリーピートを阻止した。

なぜトロント・ラプターズが初優勝できたかというと、それは、いま世界でいちばんバスケが上手い選手、カワイ・レナードがチームに移籍したからだ(断言)。実際のところは選手のコンディションやら、チームの結束力やら、ヘッドコーチの技量やら、(無数にある偶然性も含め)いろんな要素が絡み合ってこその優勝なわけだが、こんな乱暴な断言をしても誰も否定できないほどに今カワイ・レナードは頭一つ抜けてるんじゃないか、と僕は思ってしまっている。


Kawhi Leonard Sends Philadelphia 76ers Home With Epic Buzzer-Beater in Game 7

彼は口下手で野暮だ。地味な方で、目立たないし、おちゃらけない。誰にどう思われたっていいって思っている感じがする。きっと『桐島、部活やめるってよ』のクラスにいても、松岡茉優に顔を認知されていないような人間だろう。仕事を黙々とこなす武士のような選手だ。ひょっとすると、橋本愛なら試合に来ていたかもしれない(どうでもいい)。そんな選手が、残り4.2秒・同点のシーンでボールを託される。それだけでもう格好良すぎじゃないか。しかも、ディフェンスがぴったりついていて、外へ追いやっているのにもかかわらず、シュートは放たれ、ゴールに4回もバウンドした後に、インする。凄すぎる。執念の一本。もう、これをされちゃどうしようもないよ。と唸ってしまう。そして、滅多に感情を表に出さないレナードの雄叫びに感涙。

このシーンは特別だったとして、それでもまあ、ずっと試合を観ていると彼のゲームの支配力は桁外れだなーと思う。物静かでつまんない男が人気者揃いの試合をコントロールしているのは、最高にスカッとして気持ちが良い。もう既に来シーズンが待ち遠しい。