勝手にさよなら

浮遊の記録

新作について語るときに僕の語ること

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この間、8月7日に新しいアルバムが発売されまして、まぁいろいろ個人的にこだわりまくって作った作品なんですが、「こういう意図があってこうなっている」みたいなことをこの際ちゃんと書いてみようかなと思うのです。本人があーだこーだ解説するのは野暮だなーと思ったりもするんですが、せっかく好きで聴いてくれている人たちがいるなら、もっとより自分の考えや作品について知ってもらいたいという気持ちもあるので、少し書いてみることにします。簡単に言えばセルフライナーノーツ的なやつです。

 

と、ここまで書いて、もう2ヶ月も経ってしまった。『インドア』という作品について語りたいことは本当に山程ある。にもかかわらず、その思いの丈をこのブログに書き殴るにはどうも違和感がある。気が乗らないのである。もともと僕は自分について語ることを恥ずかしいと思っている節があるし、(と言うこと自体がもう既に自分語りなのだが、)前のめりに自分の作品について語るのは、性に合っていないのかもしれない。めんどくさいやつだな、じゃあ黙ってろよ。と自分でも自分に言いたくなった。が、やはり作品の魅力をもっと伝えたい!と思い、打開策として、質問を募集しそれに答える形で作品について語るのはどうか?と考えた。それなら自分語りのイタさ加減を薄めることができるし、需要と供給のマッチ具合をアピールすることも可能だ。

しかし、ここでまた一つ問題が浮上した。この手法を採用すると、次は意地汚さが顔をちらつかせることになる。みんなが聞いてきたから答えてるんだよー!という虚構。本当は自分の作品について語りたいだけなのに、人を巻き込んでその目的を達成させようとするのは、根性なしがすることである。そんな極悪非道な策を使えるわけもなく、セルフライナーノーツ計画は手詰まり状態だった。(というかもうほとんど諦めていた。)

ところが先日久しぶりに『インドア』を聴いた時、「なんだ。これを聴けば伝えたいことは全部伝わるじゃないか。」と気がついたのだ。今思えばこれは至極当たり前なことなのだが、音が何よりも雄弁にこのアルバムを物語っている。音楽は言葉では掴めない。音楽は聴くことでしか理解し得ないのである。新作についてどんな語り方をしようか、と必死になって考えてきたわけだが、結局のところ「聴けばわかる!」という一番単純な答えに行き着いた。YAJICO GIRLの最新作『インドア』は「音」のアルバムだ。だから皆さんには改めて我々の「音」を沢山聴いていただきたいのである。

 

と、ここまで書けば、少しは言葉で書き連ねた意味も生まれただろうか。このブログを読んで改めて(もしくは初めて)アルバムを聴いたあなたが、新しい気づきを得ることを願っています。ちょっと新しく、ちょっと懐かしい、いいアルバムだと思います、本当に。